【第3戦よりウェイトハンデ規定を改定いたします】
既に公式サイトなどでは告知済ではありますが、6月21日(日)に開催されるStar5 全日本4stスプリントカップ 第3戦 神戸スポーツサーキット戦より、ドライバー装備品体重によって決定される「ウェイトハンデ重量」を改定させていただきます。規定重量は下記の通りとなります。
■改定前
装備体重 63.0kg 以上 … なし
装備体重 58.0kg〜62.9kg … +5kg
装備体重 53.0kg〜57.9kg … +7kg
装備体重 52.9kg 以下 … +10kg
■改定後
装備体重 68.0kg 以上 ・・ 0kg
装備体部 64.0~67.9kg ・・+3kg
装備体部 60.0~63.9kg ・・+5kg
装備体部 56.0~59.9kg ・・+7kg
装備体部 52.0~55.9kg ・・+10kg
装備体部 51.9kg 以下 ・・+12kg
このタイミングでウェイトハンデ規定の変更には賛否両論ある事は想定しております。年間シリーズ戦ともなれば、シリーズ最中にルールが変更となる事は、あまり歓迎出来るものではない事も理解しています。
しかし、なぜこのタイミングなのか?それには2つの理由があります。
1つめの理由は「Red Bull KART FIGHT 2015 第一次予選会」の開催」に向けて、なるだけ規定重量を近づけておく方が、Star5 CUP、RBKFの両レースに参戦する方にとってメリットがあると考えたからです。
2つめの理由は「50kg代の体重は一般的ではないのでは?」と思ったからです。
当シリーズの立ち上げ段階から、ウェイト問題については「レースであり、ダイエット競争ではない。」「なるだけ体格に左右されないレースにしたい。」と考えていました。
小柄な参加者様がおられる事も事実ですが、やはり僕には「装備品体重 63.0kg」が世間一般的な平均体重だとは到底思えません。ヘルメット、スーツ、グローブ、シューズの合計重量は少なく見積もっても3~4kgはあるハズです。そうすると、実際の体重は50kg代となります。
それがシリーズ全体の標準体重、しかも18歳以上を対象としたレースとなると、僕にはやはり違和感しかありませんでした。
皆さんはボクサーではありません。レーサーなのです。
タフなレースを強く楽しく走り切るには、軽い体重だけでは事足りません。
そこで改定後のルールでは、「装備品体重 68kg」を基準に考案しました。
そこから上記の装備品重量を差し引きすると、「約63kg程度」の体重と言う事で、ようやく一般的な体重と言える数値ではないでしょうか?
開幕戦~第2戦の搭載重量とウェイトハンデ別のA/Bクラスの偏りやラップタイム、マシンの挙動などを確認した上で、妥当だと判断したこの数値へと決定しました。
一度、身近な成人男性に体重を聞いてみて下さい。この「63kg」と言う数字は決して軽すぎる事も重すぎると言う事もないかと思います。
僕自身の体重(7◯kg)を基準に考案した訳ではありませんので、そのあたりはご安心下さいね(笑)
【レース後の体重計測を実施いたします】
よりレースに公平性を持たせる為、ウェイトハンデ規定の改定に加え、決勝レース終了後に「各ヒート 上位5名」の装備品体重の計測を行います。
レース前の選手受付時に装備品体重を計測・記録していますが、そちらの重量と決勝レース後の計測重量を比較し、「-1.5kg」だった場合には、各レース順位に付与されるポイントを「-5点」としたペナルティーを適用いたします。
(決勝レース1ヒート目、2ヒート目の終了直後にそれぞれ計測を実施。計測前の水分補給などももちろん禁止とします)。
走行後の体重変動については個人差が大きな部分ではありますが、カート/四輪などのカテゴリーを問わず、約20名のドライバーに事前調査を行った所、30~60分程度のレース終了の体重変動は「-300g~500g程度」とのデータが算出されました。
本来であれば「-1.0kg」と定めたいところではあるのですが、実際にStar5 CUPではデータがとれていませんので、少し余裕をもった数値に決定いたしました。
この数値につきましては、第3戦の計測結果を確認し、増減させる可能性がありますので、予めご了承下さい(真夏と真冬では発汗量も違う為、体重増減の度合いも異なると思いますので、そのあたりも十分加味します)。
この体重計測には「イコールコンディションを追求する」と言う狙いもありますが、個人的には選手受付前などに「トイレを我慢する」「水を何リットルもガブ飲みする」と言った、ウェイトハンデを免れようと身体に負担をかけるような行動を減らしたいと言うのも狙いです。
決して、不正を疑っての実施ではありませんので、その旨ご理解いただければ幸いです。
【参加者様からのご意見と回答】
最後に、ウェイトハンデ規定変更と体重計測の実施に際して、本日までに参加者の方から頂戴しましたお声と、僕の考えをご紹介いたします。
____________________________________________________
ご意見1
シーズン中にルールを変更して欲しくない。これまでのウェイト規定にあわせて体重調整を行って来ています。
回答1
おっしゃられる通りだと思います。特に体重調整については、皆さんが日頃より真剣に取り組んでおられる事も充分理解しているつもりです。ウェイト規定の変更理由については冒頭の通りです。「ウェイトを搭載する事が悪」なのではなく、「公平性の印」だとお考えいただければ幸いです。
ウェイト規定変更にともない、大半の参加者がウェイトを積載する形となると思います。
正直なところ、ウェイト積載数が増えると、ドライバー別のウェイト載せ替え作業が増えるだけでなく、専用ウェイトも増産する必要がある為、運営サイドとしてのメリットはあまり多くありません。しかし、運営サイドのデメリット以上に、レース全体としてのメリットは大きいと考えています。
____________________________________________________
ご意見2
他レースではあまり実施されていないが、レース後の重量チェックを行って欲しい
回答2
レーシングカートのレースでは当然とも言える重量チェックですが、確かにレンタルカートのレースでは「事前計測」はあっても「レース後の計測」はあまり行われていませんね。
これは、レーシングカートとは異なり、ドライバーがマシンへとウェイトを積載するなどの作業が行えない事が理由の一つだと思います。レース結果により明瞭性を持たせる意味もこめて、第3戦より計測を実施させていただきます。
____________________________________________________
ご意見3
改定後のウェイト規定だと、「装備品重量が軽いドライバー」の方が有利なのでは?
回答3
仮に、ご意見をいただいたドライバーさんが「装備品体重 64.0kg」の場合、ウェイトハンデは「+3kg」となり、カート本体を除いた合計重量は「67.0kg」となります。
それに対し、小柄なドライバーBさんが「装備品体重 50.0kg」だった場合には、ウェイトハンデは「+12kg」となり、合計重量は「62.0kg」となります。
たしかに、数値だけを見ると小柄なドライバーBさんが「5kg」も軽くて有利、と言う判断になると思います。
では、「ウェイトハンデ量を20kgにするなどして欲しい」となると思いますが、これにはハード的な問題も影響しています。現在、Star5 CUP(西日本、東日本シリーズ共に)で使用されているカートに搭載されている「ウェイトボックス」の最大積載量が「12kg」なのです。
しかし、開幕戦~第2戦のリザルトを確認してもわかる通り、「ウェイトハンデが多い=装備品重量が軽いドライバー」が有利にレースを進めていない事をご理解いただけると思います。何キロも軽いハズなのに、皆さんが思うほどの圧倒的なラップタイムや好成績を残していないのか?
その理由としては、レーシングカートのフレームは、ウェイトを搭載する事を念頭に開発されておらず、フレーム左側のボックスに10kg以上ものウェイトが載る事による「左右のコーナーでの挙動の違い」や「ブレーキタッチの変化」などが発生している事が原因です。
(レーシングカートにウェイトを載せる場合、シートの側面や背面にウェイトを固定しますよね?あれにはフレームの挙動を邪魔しないと言う理由があるのです)
レンタルカートの場合でも、シート側面などにウェイトを搭載する事は可能ですが、上記理由とウェイト脱着の手間などから、現在では最大積載量を「12kg」とさせていただいています。
もちろん今後のレース結果や皆さんのご意見によっては、最大積載量を増やす必要があると判断した場合には、ウェイト規定を変更する可能性はあります。
(今回のウェイト規定の撤廃だけは絶対にありません)
これまでのレースを見てもわかる通り、ウェイト以上にドライバーのスキル、そしてそれ以上にメンタルがレース結果を大きく左右します。だからモータースポーツは面白いんです。
____________________________________________________
以上、大変長文とはなってしまいましたが、一読いただきありがとうございます。
今後も参加者の皆さんが真剣に楽しめるレース運営を目指して、スタッフ一同、努力して参ります。最後にご紹介差し上げた、参加者のお声のように、何か不明な点やご意見などございましたら、高崎までいつでもお気軽にお申し付け下さい。
皆さんの声を直接聞く為に、僕が存在しますので、どうぞよろしくお願いいたします。