お客様よりご依頼いただいた、アズメリープレゼンツ オリジナルヘルメットペイント作品をご紹介させていただきます(連続更新4日目)。
「現在のデザインをベースにアレンジして欲しい!」と言った内容のオーダーが増加傾向ですが、今回の作品も同様のご希望を受けての製作です。
(これまでのイメージを持たせつつ、デザインを整え、現代風にアレンジできるので、2個目3個目のヘルメットペイントにオススメの手法です)。
鮮やかなオレンジと、メッキをベースとしたブルーの爽やかな色合いが目に飛び込んで来ますね。
メッキクローム加工時には、メッキの輝きを追求したくてメッキ部分を拡大したくなってしまいますが、ここでも大切なのはバランスです。
作風にあわせてソリッドカラー部分(今作品で言うところのオレンジやピンクなど)を取り入れることで、メリハリの効いた作風に仕上がる好例だと思います。
サイドビューは、曲線と直線が入り組んだデザイン。一つ一つのパーツが小さくなってしまうと、子どもっぽい印象になるだけでなく、僕達が最も大切にしている、走行中のStand Out(目立ち、際立ち)が損なわれてしまうので、デザイン段階から細心の注意を払いました。
顎元から後頭部にかけてのグラデーションも効果的で、アライヘルメット特有の帽体の丸みを打ち消しつつ、スッキリとしたルックスに仕上がったと思います。
フロントマスクはアズメリープレゼンツ作品らしく、鋭利なラインで構成されており、シャープな印象です。ブルーメッキが吸い込まれるような光を放っていますね。ペイント以外の部分でいくと、決して少なくはないスポンサーロゴを乱雑な雰囲気にならぬよう、サイズや配置箇所は何度も調整を重ねました。
リアビューはあえてクロームメッキのシルバーをそのまま活かし、意図的に形式を写り込ませて奥行き感を演出しました(故にカメラ撮影が非常に難しかったです・・・)。
いつも書いていますが、「1面(リア、サイド、フロントなど)だけでデザイン」するのではなく、「球面全体を見通してデザイン」する事によって、今作品のようにまとまりがある、破綻していないデザインが可能となります。
やっぱりクロームメッキとブルーの組合せは最強ですね。流麗なシャドーグラフィックも相まって、いつまでも眺めていられそうです(笑)
オプションでSTD形状のディフューザーを装着&ペイントいたしましたが、計算し尽くされたペイント技術で、装着後の「ラインのズレ」「塗装の歪み」などもほぼ皆無の仕上がりです。
当然のように至るところ、細部に渡ってシャドーエフェクトが施されており、一つ一つのラインに奥行きを出しています。アズメリープレゼンツ作品を裏付ける手法の一つです。「差は細部に宿る」、ヘルメットペイントもこの言葉に集約されるのかも知れないと改めて感じさせてくれる作品に仕上がりました。
最後となりましたが、オーダーいただきました「H.T様」、本当にありがとうございました。世界に一つだけのオリジナルヘルメットとともに、どうぞこれからも末永くモータースポーツライフをお楽しみください。
■ペイントデータ
担当ペインター:アズメリープレゼンツ
ベースヘルメット:アライヘルメット GP-6
ペイント種:クロームメッキ+ソリッド
オプション:Greed STDディフューザー
オプション2:GAZE シールドスクリュー
オプション3:GAZE ROPOS
オプション4:GAZEミラーシールド(オリジナルモデル)