5月17日は偉大なるレーシングドライバー、松本恵二さんの命日です。
僕が恵二さんと初めてちゃんとお話しをしたのは2004年の鈴鹿サーキットのパドックでした。
数年前からサーキットでお見かする事は多々ありましたし、本当はこちらから挨拶をするべきにも関わらず、生意気盛りの僕は、なかなか声をかけられずにいました。
当時僕は、Formula Dreamと言うホンダの育成系カテゴリーに参戦していました。
同レース、ライバルドライバーのアドバイザーとしてサーキットに来られていた恵二さん。
そして、シリーズチャンピオンがかかったレース。
恵二さんがサポートするドライバーとチャンピオンを争っていたので、この時もまた挨拶をするタイミングを完全に失っていました。
レース本番に向けてタイヤを温存する為に、大切な練習走行をキャンセルして、パドックでモニター越しに戦況を見守っていた時でした。
『高崎ぃ、何もせんと待つのはホンマに怖いやろ? でもな、お前が決めた事やったら、最後まで辛抱せなアカンで。』
と、恵二さんの方から声をかけていただきました。
あまりにも突然の出来事だったので、不躾に『ありがとうございます。そのつもりです!』としか答えられませんでしたが、内心は少し感動していました。
結局、これが最初で最後の会話になってしまいましたが、おかげさまでシリーズチャンピオンを獲得出来ましたし、何よりもあの時、自分の行動を唯一!?認めて、応援してくださったこと、今でも感謝しています。
僕は、ドライバーとしても指導者としても追いつくどころか、恵二さんの背中を見る事すら出来ないかも知れませんが、あの一度きりの感動を胸に、今日も明日も頑張りたいと思います。
本当にありがとうございました!